KidsDoコンテンツ解説 Vol5 | KidsDo KidsDoコンテンツ解説 Vol5 |
・なぜ、そう思うのかを説明する力をつけていきましょう。
日々の暮らしの中では、どうしても本当に必要なコミュニケーションが不足しがちです。今日の幼稚園はどうだった?○○先生は何ておっしゃっていたの?お弁当はどうだった?など、大人が聞きたい情報を一方的に質問ばかりしてしまいがちです。
大人にとってはあまり意味を感じないようなことが、お子さんはとても大事に思っていて伝えたいと思っているかもしれません。そこに気づかずにスルーすることが多いと、大人は話しを聞いてくれないと思い込ませてしまうことになるかもしれませんね。
こうした遊びを通して、お子さんの目をしっかり見続けて、お子さんの話しにじっくり耳を傾けてみる時間を作ってあげてください。1 回の時間はは少なくても良いので何度も話を聞く機会をもちましょう。お子さんはパパやママに話しを聞いてもらえることが、興味をもってもらえることが嬉しくて、目をキラキラさせてお話ししてくれるようになってきます。リアクションは少し大げさにしてみましょう。もっとお話しをしてみようと、色々な言葉を駆使するようになってきます。
・自立への基礎をみにつけます。
お手伝いは許可をすぐに与えないのがポイントです。大きくなったから、これはそろそろやらせてあげても良いわよ、というスタンスで話してみてください。もったいぶるのです。お子さんは成長を認められていることを嬉しく感じますし、待たせることで大事なお仕事なのか!やった、やるぞ!という気持ちになります。ちょっとしたことですが、やりなさい!と言われるよりも、ずっと効果的に自立的に行動しはじめるケースが多い方法です。
ほめるときも、「すごいね!」「いいね!」とおだてるような表現ではなく、「ここまでできるようになったね」「助かるな」「うれしいわ」という成長をたたえる言葉やおうちの人からの感謝や喜びを伝える表現を選びましょう。人のために行動する喜び、人が喜ぶことをする楽しさを実体験してもらいます。お子さんにとっては、ほぼ何でもしてもらうばかりが習慣になっている時期ですので、これは新しい体験です。人のために力を尽くすことで喜べる感覚をもっていると、幼稚園や小学校、大人になっても社会でのストレスが軽減されます。社会に出れば自分のメリットでないことが多いものですが、それも良かった、と思えることでストレスを抱えにくくなります。
今回のお手伝いの一番のポイントはお水の入ったコップをお盆で運ぶチャレンジです。コップ運びは水をこぼした時の失敗を実感しやすいお手伝いです。キッチンからテーブルへ物を運ぶのは、難しく集中が必要なことに気づきます。こぼした時は、後始末をお子さん自身でさせましょう。自分は大変なことをしてしまったと感じていますので、やり方を寄り添って教えてあげてください。でもやるのはあくまでもお子さんに任せます。失敗しても大丈夫、始末を自分でつけられることを教えるチャンスです。お子さんが失敗したらしめしめ、と大人が思うくらいの気持ちでお手伝いをさせてあげましょう。
お手伝いを遊び感覚でとりいれましょう。例えば妹、ママ、パパ、○○くんと言った順番で配膳する指示遊びや、お子さんが配膳した人の順番を当てるクイズなど、遊び感覚を盛り込むことで、記憶力も鍛えられて楽しくお手伝いができます。お子さんは楽しいことが大好き!そのツボを刺激しましょう。
・今号のテーマは配膳。
配膳もこの時期に覚えてしまうと、将来にわたってそんなに苦でなくなりますので、今のうちに習慣化させておきましょう。おうちの方も今よりも少し楽に暮らせるようになりますね。といっても、お子さんのお手伝いは完璧にはできません。かえって忙しいのに手間になることもあることを覚悟してやらせてあげてください。最初は少しサポートしてあげる必要があるかもしれません。できるようになってきたら、どんどん任せていきましょう。かえって手間がかかることになり、教えるのが面倒になったり、イライラすることもありますが、今の時期を大事にすると後が楽になりますので、大人の辛抱が必要な年頃です。何よりお子さんの将来に役立ちます。
お子さんがやりやすい環境を作るというのは大事なことです。手のサイズに合う小さめなものをお子さん用の特別なお盆として用意してあげると、俄然やる気が出ます。まるで金メダルをプレゼントするように、もったいぶって渡してみてください。このお仕事の重要性を伝えましょう。
お盆で運ぶと言っても手順が大切です。まず平らな場所にお盆を置きます。そこに水を入れたコップをのせます。最初はコップ1つから。それを持ち上げて集中して運びます。そして平らな場所を自分で見つけ、そこにお盆を置きます。それから水を配ります。最後にお盆を定位置にしまいます。何でもないお手伝いでも、観察し、判断し、バランス感覚を駆使して行う、お子さんにとっては複雑なお手伝いなのですね。
・語彙力と想像力、社会性を育む遊びです。
「サッサとやりなさい」「早くしなさい」と叱られてしまうお子さんをみかけることがあります。もしかしたら、何だか叱られていることはわかるけれど、その言葉を正しく理解できていなかったということもあります。何度も注意して困っていることは、「サッサ」や「早く」を具体的に実演してみせてあげるのも一つの方法です。叱ったり、口で注意するだけではその言葉の意味を正しく理解していないことがあるものです。
以下に表現のヒントを挙げておきます。
・ノッシノッシ
体が重くてやっと歩く。
・ヨチヨチ
足が大きく開かなくて、上手に歩けない。
・スタスタ
早足で歩く。気持ちは歩く先のほうにある。
・サッサ
手早く片付ける。急いで正確に物事を進めようとしている。
・トボトボ
足取りが重く、ゆっくり歩く。気持ちも重く沈んでいる。
・ションボリ
がっかり肩も首も落ちてしまう。何か悲しいことがあった。
今回の遊びは、相手の言葉をしっかり聞いて、それをできればイメージ化して、脳の引出しにしまい、それを体で表現するという作業が必要です。自分で使えるようにできるくらいのレベルで脳の引出しにしまうのが「聞く」という動作だということを、小さな時から教えてあげられると良いですね。
表現はいきなりやろうとしてもなかなかできないものです。引出しを沢山もつことが必要です。お子さんたちが大きくなったころは、人前でのプレゼン力がさらに求められる時代。将来海外との仕事も増えてくることでしょう。人前でボディランゲージを使えるようになることは武器になります。おうちでも自分の考えを表現すること、伝えることを大事にしてあげたいですね。表現のバリエーションを小さな頃からためていくことは、生きる力の幅を広げることになりそうです。
・心の幅を広げていく遊びです。
これまでの自分の知識を使って、あたりをつけて、絵を描きこみ、それを組み立てて形にしていきます。手も脳も使う、高度な遊びです。
平面を切って、組み立てることで立体になることを実感できる遊びは、立体脳を刺激できます。頭の中で、立体をぐるぐると回転させられるようになるには、立体を実際に作ったり、積み木などで遊ぶ体験がお勧めです。立体脳には臨界期があるという説もありますので、小さいうちにたっぷり遊んでおきましょう。
小学生の立体の授業で、女の子のほうが展開図などで苦戦しやすいのは、小さなうちに人形遊びが多く積み木遊びなど立体にふれる機会が少ないためだという説もあります。
自分で一生懸命作ったものを人にあげることが難しい子もいます。そういう時は、それをプレゼントした相手が喜んでくれたことを伝えましょう。体験が増えるほどに、だんだんと人にあげることができるようになってきます。時間があれば何かを作り、人を喜ばせようとするお子さんも出てきます。
お子さんにゲームをさせておくのは楽な時もあります。でも大事な心の成長の機会を失っているかもしれません。親子で一緒に遊びを体験することで、ぐんぐん心が育ってきますね。今回の立体カードづくりでは、大人もメッセージを一緒に書き添えるなどして、参加して、相手の反応を一緒に喜びましょう。お子さんの目がキラキラと輝くことでしょう。