KidsDo コンテンツ解説

vol.6 KidsDo vol.6 画像

P-6 たいせつにする

○ねらい

・優しいこころやいつくしみの心を表現します。

  • たいせつにする
○ポイント

相手を大事にしたり、優しい心やいつくしみの心は、子どもが本来もっている心の働きといえます。しかし、表現するとなるとスムーズにはいかず、学ぶことで身に付きます。周りの大人が自然にやっていれば、子どもはそれを見て学びます。いつくしむ心は日ごろから教えていきたいですね。
「ぬいぐるみってかわいいね、大事ね」、「おとなりに座った赤ちゃんかわいいね」と、大人がお子さん以外の人やものにやさしくいとおしむように接するところを見せましょう。中には、自分以外のものを大事にする大人を目の当たりにしたとき、怒ったり、悲しむ子どももいます。でも、それは当たり前のことだと教えていきましょう。大人だけでなく、本人も自分以外のものを大事にするということは、社会生活でとても重要な行為です。その最初の一歩を始めたいですね。

P-7 ぼくのわたしのやくわり

○ねらい

・お手伝いは自立への基礎を身につけます。

  • ぼくのわたしのやくわり
○ポイント

お手伝いは許可をすぐに与えないのがポイントです。大きくなったから、これはそろそろやらせてあげても良いわよ、というスタンスで話してみてください。もったいぶることで子どもは成長を認められていることを嬉しく感じますし、待たなくてはならないくらい「大事なお仕事なのか!やった、やるぞ!」という気持ちになります。ちょっとしたことですが、「やりなさい!」と言われるよりも、ずっと効果的に自立的に行動しはじめるケースが多い方法です。

また、ほめるときも、「すごいね!」「いいね!」とおだてるような表現ではなく、「ここまでできるようになったね」「助かるな」「うれしいわ」という成長をたたえる言葉や、感謝や喜びを伝える表現を選んでください。人のために行動する喜び、人が喜ぶことをする楽しさを実体験してもらいます。子どもにとっては、ほぼ何でもしてもらうばかりが習慣になっている時期ですので、これは新しい体験になります。人のために力を尽くすことで喜べる感覚を持っていると、幼稚園や小学校、大人になっても社会でのストレスが軽減されるでしょう。社会に出れば自分のメリットを追いかけるばかりでは通用しません。人のメリットのために動くことも多くなりますが、それも「良かった」と思えることでストレスを抱えにくくなります。

今回のお手伝いの一番のポイントは、自分で汚れを見つけ、それを自分できれいにするという点です。お風呂場の汚れは、触るとざらざらしていて、洗えばつるつるになります。汚れを発見しやすく、成果も分かりやすいという点で、お子さんが達成感を得やすいお手伝いです。ぜひ、楽しんで取り組んでみてくださいね。

ただし、滑りやすいのがお風呂場です。大人は目を離さないようにしてください。はしゃぎすぎないといった、お風呂場のマナーも教えつつ、掃除の基本を小さいうちに習慣化させましょう。

P-89 にこにこノート

○ねらい

・今号のテーマは「お風呂掃除」

  • にこにこノート
○ポイント

おうちの仕事をできるだけこの時期に覚えてしまうと、将来に渡って、お手伝いがそんなに苦でなくなりますので、今のうちに習慣化させておきましょう。おうちの方も今より少し楽に暮らせるようになりますね。といっても、やはり子どもがやることです。お手伝いに完璧を求めるのは難しいでしょう。かえって忙しいのに手間になることがあると覚悟してやらせてあげてください。

汚れたところを子どもが見つけたら、発見した喜びを一緒に共感してください。そして、きれいになったら、その喜びをここでも共感してください。その時には、「お父さんが入ったら喜ぶね」「お婆さんは気持ちがいいでしょうね」など、そこにいない人も喜んでくれるということを伝えます。あとで、お父さんやお婆さんなどからから、「○○くん○○ちゃんのおかげで気持ちが良かったありがとう」と言ってもらえれば、子どもの脳には報酬が与えられ、またやってみようとやる気を育むことができます。

子どもがお手伝いをしやすい環境を作るというのも大事です。手のサイズに合うスポンジを用意したり、オレンジ系の肌に優しく、気分を明るくする香りがついた洗剤を利用すると、楽しいお仕事になります。

最初は少しサポートしてあげる必要があるかもしれませんが、できるようになってきたら、どんどん任せていきましょう。教えることが面倒になったり、イライラすることもありますが、今の時期を大事にすると後が楽になりますので、大人は辛抱して付き合ってあげてくださいね。

また、今回のお仕事は、滑りやすいという危険を伴うお手伝いです。ゆっくり動く、片足ずつきちんと着地させる、はしゃぎすぎない、などのマナーを教える機会にもなります。目を離さないようにしつつ、掃除の基本を小さいうちに習慣化させましょう。それに、何より「お手伝い」は子どもの将来に役立ちますよ。

P-10 ものの ざいりょうを ことばで あらわしましょう

○ねらい

・五感と知性を育む遊びです

  • ものの ざいりょうを ことばで あらわしましょう
○ポイント

身の回りものは、いろいろな材料でできていることを教えてあげてください。子どもだけで材料を観察しても、すぐには言葉にできないので、親子でいっしょに観察すると良いですね。持ってみて、重いか、軽いか。バスタブで水に浮かべてみて、沈むか、浮くか。触ってみて、柔らかいか、固いか。光にかざして見て、透き通るかどうか。どんな匂いがするか。叩くとどんな音がするか。“観察”を体感してみましょう。

この年齢の頃に、五感をたくさん刺激しておくことが大事です。感覚を訓練するには、それを通して正しく判断する体験で養えます。多くの行動は、主に視覚で見て、真似して学んでいきます。五感がフル活用できれば、より多くの情報を得て真似することができるでしょう。そして、多くの感覚の発達が、将来の知性や社会性につながっていきます。

「自分で見たものを、自分で行動してそれを確かめ、自分から学んでいく。」福澤諭吉はこれを“独立自尊”と言いました。これからの時代に求められるのは、自分で自分のエンジンをかけられることです。そのようになっていくためには、小さな頃に五感をフル活用する体験を多く持つことが大事なのですね。

P-11 きって、つくろう

○ねらい

・観察力と画力を高める遊びです

  • きって、つくろう
○ポイント

動物の特長を大きなパーツにして遊ぶことで、学びになります。例えば、ゾウには長い鼻だけでなく牙があることなど、遊んだことで忘れにくくなるでしょう。

子どもが遊んでいる時に、「長い鼻ね」「ゾウには牙があるのね」「肌は灰色なのね」と、大人から声掛けしてあげてください。遊ぶたびに何回も繰り返すことで、自然にゾウの特長が知識として身についていきます。

できれば、工作で遊んだ後に、動物園や図鑑で実物を見ておきたいですね。そこで、その動物の特長を子どもと言いっこ体験をすれば、より印象づけることができます。特長が頭に入っていれば、絵を描く時もスムーズに自分が描きたいものを表現しやすくなります。

また、年長さんの子どもと一緒に遊ぶ時は、遊んでいる動物の豆知識を入れておきましょう。アフリカゾウの雄雌には大きな牙が、アジアゾウの雄には短い牙があります。アジアゾウの雌には牙がありません。耳の大きさもアフリカゾウとアジアゾウでは違います。アフリカゾウは大きな三角、アジアゾウは小さな四角です。蹄も違います。図鑑やインターネットで調べて見せてあげると、遊びから知識が広がっていきます。実際、小学校受験ではこのように教えていきます。

今回はゾウを取り上げましたが、他の動物でも試してみてください。より知識や表現力を高めることができますよ。

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