vol.7 | KidsDo vol.7 |
・観察、発見、説明する力をつける遊びです。
自分の暮らしの中にある色を楽しく探すことで、自主的に身の回りに興味を持つように導きます。観察・発見・説明する力は、やがて生活や創造活動、勉強、仕事に役立っていくでしょう。
色が同じものを発見するには、色を認識して見つけるだけでなく、もう1つ同じ色のものを見つけるステップがあります。小さなお子さんには少し難しいので、色を見つけるところから始めましょう。脳や目の使い方を練習していけば、だんだんとスムーズに見つけられるようになっていきます。お子さんが見つけられたら、何についても大発見した冒険者のように讃えてあげてください。
生活の中の色には、どこでも同じ色を使っているものもあります。例えば、赤いポストや白い横断歩道、信号の色や並び順など。様々な場所で色遊びをして、共通点をお子さんが見つけられるように少しサポートしてあげても良いですね。『昨日遊んだときのポストの色覚えてる?同じ色かしら?沢山の人が使うものは同じ色で、何かがすぐわかるようになっているね』といった具合です。
色遊びは、知能プリントにも出てくる同類発見を実際の体験で行えるものです。実体験があることはとても強い記憶となって脳に蓄えられます。机上だけで勉強するのではなく、小さい時は適切に五感を刺激してあげることを意識してあげたいですね。この遊びを通して、物事を観察して自問自答する訓練にもなり、将来につながっていきます。
・お手伝いは自立への基礎を身につけます。
お手伝いは許可をすぐに与えないのがポイントです。大きくなったから、これはそろそろやらせてあげても良いわよ、というスタンスで話してみてください。もったいぶることで子どもは成長を認められていることを嬉しく感じますし、待たなくてはならないくらい「大事なお仕事」であることを知ります。そして、任された時には「やった、やるぞ!」という気持ちになります。ちょっとしたことですが、「やりなさい!」と言われるよりも、ずっと効果的に自立的に行動しはじめるケースが多い方法です。
また、褒めるときも、「すごいね!」「いいね!」と、おだてるような表現ではなく、「ここまでできるようになったね」「助かるな」「うれしいわ」という、成長を讃える言葉や、感謝や喜びを伝える表現を選んでください。人のために行動する喜び、人が喜ぶことをする楽しさを実体験してもらいます。
子どもにとっては、ほぼ何でもしてもらうばかりが習慣になっている時期ですので、これは新しい体験になります。人のために力を尽くすことで喜べる感覚を持っていると、幼稚園や小学校、大人になったときに、社会でのストレスが軽減されるでしょう。
社会に出たら、自分のメリットを追いかけるばかりでは通用しません。人のために動くことも多くなりますが、それも「良かった」と思えることでストレスを抱えにくくなります。
今回のお手伝いの一番のポイントは、玄関掃除ではありますが、「事前準備の片付け」でもあります。掃除するために他の人が出しっぱなしにしたものを自分が片付けなければなりません。ここに置いたり、出しっぱなしにしたりすると掃除する人が大変なんだな、というところまで子どもが気づくことができたら大成功です。
お手伝いを通して、暮らしの技術についてある程度やり方を習得し、家の中で役割を持ち、人のことを考えられるようになっていきます。ぜひ、楽しんで取り組んでみてくださいね。
ただし、ドアは危ないので、ドアやトビラで遊ばないようにさせ、大人の監督下のもと実行してください。
・今号のテーマは「玄関掃除」。
おうちの仕事をできるだけこの時期に覚えてしまうと、将来に渡って、お手伝いがそんなに苦でなくなります。今のうちに習慣化させておきたいですね。おうちの方も今より少し楽に暮らせるようになりますよ。
といっても、やはり子どもがやることです。お手伝いに完璧を求めるのは難しいでしょう。かえって忙しいのに手間になることがあると覚悟してやらせてあげてください。
玄関はおうちに帰ってくる人やお客様をお迎えする場所です。玄関をきれいにすることは、他の人を大事にすることでもあることを伝えます。お手伝いを通じて、家族やお外の人を大事にする気持ちを育んでいくことができます。
「玄関がすっきりしたら、気持ちが良いね」、「きっとお父さんは喜ぶわね」いった具合に、お子さんと玄関に入ってくる人の笑顔を一緒に想像してみるのも脳に良い効果があります。
また、子どもがお手伝いをしやすい環境を作るというのも大事です。しまう場所が決まっていることを教え、小さめのほうきやエプロン、バンダナなど、お子さん専用のお掃除スタイルを準備してあげると楽しいお仕事になるでしょう。
最初は、少しサポートしてあげる必要があるかもしれませんが、できるようになってきたら、どんどん任せていきましょう。教えることが面倒になったり、イライラすることもありますが、今の時期を大事にすると後が楽になります。大人は辛抱して付き合ってあげてくださいね。
また、今回のお仕事は、ドアやトビラに手や指を挟む危険を伴うお手伝いです。ドアやトビラで遊ばず、開け閉めは慎重にすることを伝えてください。目を離さないようにしつつ、掃除の基本を小さいうちに習慣化させましょう。
それに、何より「お手伝い」は子どもの将来に役立ちますね。
・「 考える」を練習する遊びです。
“自分の好き”を表現することは自分を観察して、自分を知ることにつながります。そしてなぜ好きなのかを言葉にします。たとえおかしな意見でも否定するのではなく、「あなたはそう思っているのね」と肯定してあげてくださいね。
考える練習として、「自分のことを観察して、自分を知る」ということは、取り組みやすいテーマです。自分が何で好きなのだろう、と自問自答するように『○○くんは○○が好きなのね。なんでそう思ったの?どうして?』と少し合いの手をいれて、思考ステップを次の段階へ誘導してみましょう。
また、自分が好きなことを知っている人は、自分を大切にする傾向があるようです。小さなうちは自己主張が強くなりすぎることがあるかもしれませんが、これからの時代は自己主張すべき時も増えてくるでしょう。自己主張する時、しない時の判断基準を教えていく必要があります。例えば、「周りの人に迷惑になる」などといった、自分の外側の世界を見て判断する力を育てようとすることが大事です。これはおうちで機会があるごとに伝えていくと良いでしょう。はっきり伝える時、我慢する時、そういうコントロールを教えるのは、やはりタイミングよく伝えられるおうちの方がベストです。
主張するにせよ我慢するにせよ、自分の考えがあることが土台です。小さな頃から考えることの練習を日々のくらしの中で意識的に取り組んでいくと良いですね。
・観察力と画力を高める遊びです。
「長いもの」という切り口で、何を思いつくでしょうか。それを書いて短くしたり、長くしたりして遊んでみましょう。「長い・短い」を体験的に認識することや変化することで違うものに見えることを体験する遊びです。
「長いもの」という切り口で何を思いつくでしょうか?それを書いて短くしたり長くしたりして遊んでみましょう。「長い・短い」を体験的に認識することや変化することで違うものに見えることを体験する遊びです。
子どもが遊んでいる時に、「長い○○ね」「短いとまるで○○みたいね」と、大人から声掛けして別の見方を伝えてあげてください。
色々な長いものを作ることで、「長い」というカテゴリーのものがしっかり頭に定着していきます。これは、何事も分類して整理して頭にしまう時にも役立ち、将来に渡り使っていくグルーピングスキルの基礎訓練になりますよ。